胃潰瘍になりました。そして、手術、治療から、薬に頼らない方法の獲得へ

体験からの胃潰瘍の治療法と予防

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胃潰瘍での手術入院体験記 – 入院初日の夜

   


静かな夜(入院1日目)

tenteki

夕方、奥さんと子供たちは帰りました。

奥さんには本当に心配をかけてしまいましたが、思いの他、私が元気だったので安心して帰ったようです。

まあ、いくら何でもまだ「元気」ということもないのですが、突然死んでしまうようなこともまたないとも言えます。
つまり、一応の危機は脱したようです。

夜になりました。

11階の窓からは昼は空以外はあまり景色は見えなかったのですが、暗くなると、イルミネーションが少しずつ光り始めて、そこにビル群があることがわかります。

どんどん暗くなると、風景はどんどんと綺麗になっていきました。
見えないところにある新宿の高層ビル群はふだんの私の興味にはないものです。
そんなもの見ても見なくてもどちらでもいいもの。
でも、今は立ってそれを見てみたいと感じます。

看護婦さんがやってきました。正式な私の担当看護婦さんです。
仕事中はいつも大きなマスクをかけていて、目以外の顔はよくわかりませんが、よく笑う明るい人です。

最初に長い時間話をした看護婦さんはこの人でした。

「ねえ、看護婦さん、オレさ、救急車で運ばれてきたのでここがどこだかわからないんだよ」
「ここはね、新宿区だけど早稲田のあたり」
「ああ、そうなんだ。じゃあ、窓に見える光は新宿の?」
「この窓はね、特等席なんですよ。こっちから池袋、こっちは新宿が一望できるの。一等地ですよ」
「へえ……っつーか、まだ立てないからその見事な風景見られないんだけどね」
「夜は本当に綺麗なんです」
「デートなんかにもぴったりなわけだ」
「うーん、それはどうかな(笑)」
「入院してもう出られない人とかにはかえって酷かもね」
「そうかなあ」

彼女も外の景色を少し眺めていました。

「ねえ、看護婦さん。輸血とかはいつ取れる?」
「さあどうでしょうね。輸血は多分、明後日までには取れるんじゃないかな」
「カテーテルはどうかなあ」
「それはわかんない」
「このカテーテルってのはイヤなもんだね」
「そうですか?」
「うん。なんかこう生理的にすごくイヤだ。輸血や点滴はいいけど、カテーテル早く取りたいよ」
「そんなに長くはかからないと思うよ」

看護婦さんが私の身の回りの世話を終えました。
すぐ出ていくかな、と思っていましたが、立って私の雑談にまだ応じてくれています。

「オレさ、救急車で運ばれてきたから何もないんだよ。本とか携帯とか。夜どうやって過ごそう」
「病人は寝るの!」
「うん。でも暇だなあって」
「昨日あんなに大変だったんだから、そんなこと言ってちゃダメですよ」
「うん。眠る努力するよ」

私は喋り続けて、ただでえ痛い喉がさらに痛んでどうしようもなくなっていました。
それでもギリギリまで私は喋っていました。

理由は当たり前で、ひとりにされたくなかったのです。

でも、いつまでも話しているわけにもいきません。

気づくと、私は個室でひとりになっていました。

消灯(午後9時)になっても眠気は来ず(さすがに午後9時は早すぎる)、外の明かりを眺めていましたが、いつの間にか寝入っていました。

そういえば、「カーテン閉めときますね」と看護婦さんは言っていたが、カーテンが半分開いていました。

「閉め忘れ?」と思っていましたが、翌日、この理由を聞かされました。看護婦さん曰く「カーテン閉めると淋しいでしょ。だから、半分開けて夜景が見えるようにしておいたの」と。

ありがとう、看護婦さん。

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