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胃潰瘍関係ニュース: 「潰瘍は何故できるのか? そして、強酸が存在する胃の中で、胃の粘膜が消化されない理由」

   

強酸が存在する胃の中で、胃の粘膜が消化されない理由

京都薬科大学の岡部進教授という方が、胃潰瘍の歴史にふれられている文章を書いてらっしゃいました。長いものですが、その中にこのような下りがありました。


> 胃液の作用は強力で、肉類などの消化などは1-2時間で完了するが、著者らの研究室では、ステンレスも半年以上胃内に放置しておくと消化される事を観察している。つまり、溶解される。

つまり、「胃液はステンレスをも溶かしてしまうほど強力な塩酸」のようなんです。
そんな強い酸が存在する胃の中で、どうして胃の粘膜が消化されないのか。
これを抜粋してご紹介いたします。全文は下のリンクにございます。

元記事
「胃潰瘍は何故発生するのか?その治療薬は?」 -貝殻からポンプ阻害薬まで-

日本薬理学会 平成13年10月06日

潰瘍は何故できるのか?

「酸無きところに、潰瘍なし」の言葉通り、潰瘍の主成因として胃液中の塩酸やペプシンが関与していることは周知である。夜間分泌を除けば、普段は胃液は分泌されていないが、食物摂取により胃液が分泌される。美味な食物を見ただけでも、また想像しただけでも胃液は分泌される。ロシアの科学者パブロフにより、条件反射として報告された現象である。つまり、脳と胃は密接な関係にあり、ストレス潰瘍の成因も納得できる。

この胃液の作用は強力で、肉類などの消化などは1-2時間で完了するが、著者らの研究室では、ステンレスも半年以上胃内に放置しておくと消化?される事を観察している。つまり、溶解される。

このように強酸が存在するにも拘わらず人の胃はなぜ自らを消化しないのか?、という疑問が長年問われていた。

また薬物、特にアスピリンなどの抗炎症薬の服用により、直接的、また間接的に胃出血、潰瘍が高率に発生する。高齢化にともない、多くのヒトは何らかの炎症性疾患を有し、これらの薬物の長期服用を考慮すると、この副作用の除去が現在の消化器病学の一つの焦点となっている。

粘膜が消化されない理由

最近になって胃粘膜が恒常性を保つ理由が解明され始めてきた。
現在、胃粘膜の保護機構として以下のような事が解明されている。

(1) 胃の上皮細胞は粘液および重炭酸イオンを分泌しているために分泌された胃酸は粘液中で中和される。

(2)胃粘膜の表面には燐脂質層があり、塩酸(水溶液)は粘膜表面から弾かれ、上皮細胞には接触し難い。

(3)胃粘膜は、ガン、血液細胞などと同様に急速に細胞分裂が進む組織であり、上皮細胞に少々の傷が出来ても数日内に胃の内腔測に脱落、剥離される。

(4)胃粘膜血流も大事な防御機構で、胃粘膜が薬物などで傷害を受けると、胃に分泌された胃酸が粘膜内に逆拡散する。しかし、粘膜部に血流が豊富に流れていると拡散した酸が血流にて洗い流され、潰瘍にまで発展しない。

(5)唐辛子の主成分であるカプサイシンに感受性をもつ神経も胃粘膜に防御的に機能していることも判明している。

(6)胃粘膜が予め弱い刺激物に曝された後、強い刺激を与えても、胃粘膜は傷害を受けないことが判明している。たとえば、50~100%アルコールを投与すると胃粘膜には重症な傷害が発生するが、予め20%アルコールを投与後、次に100%アルコールを投与しても、胃粘膜傷害は発生しない。この現象は、適応性細胞保護効果という。

すなわち、我々の胃粘膜は普段の食事または刺激性のある物質の摂取により鍛えられており、少々の刺激物ぐらいでは胃粘膜の恒常性は破壊されないようだ。この保護効果には、一部粘膜内のプロスタグランジンや一酸化窒素(NO)などが関与している事が証明されている。

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